事業計画書⑬競合分析と強み
カテゴリー:事業計画について
あなたならではの強みの話
競合分析するうえで必要なこと
あなたならではの強みですが、これまでの事業経験や経歴からの話ももちろんですが、それ以上に、競合他社との比較から見えてくるあなたの会社や事業の強みのことです。そのため、まずは競合の状況を正確に把握する必要があります。最初に、どの会社までを競合として捉え、比較の対象にするかを考えます。ここで競合として考えるうえで役に立つ視点があります。次の4つはマーケティングとしては最も基本とされる4Pというものです。
①モノ・サービス(Product)
②価格(Price)
③販売チャネル(Place)
④販促方法(Promotion)
この4Pの視点を持ちながら、競合を考えてみると真の競合が見えてきます。
①のモノ・サービスですが、これは単純にハンバーガーとした場合、このモノ・サービスだけの視点から言えば、マクドナルドもモスバーガーも1つ2000円するハンバーガー屋も競合になりそうです。
では、ここに②の価格の要素を入れるとどうでしょうか?マクドナルドのハンバーガーは1つ100円です。モスバーガーは1つ300円~400円くらい。もう1つのハンバーガー屋は1つ2000円となります。ちょっと違ってきました。値段が違う=何が変わりますか?ターゲットが変わるんです。マクドナルドには子供だけの姿がたくさん見られますが、モスバーガーなどではそれほど見ることはできません。これは、子供では買えない価格帯だからという理由が1つあります(もちろん、ターゲットにしていない子供向けの価格設定をしていないという考え方もできますが、モスバーガーの場合は、おそらくマクドナルドとのサ差別化戦略から、高級路線を進んでいるため、価格設定も高くしていると考えるのが近いかもしれません)。
さらに③の販売チャネルを合わせるとどうでしょう?マクドナルドは繁華街や駅近くの立地で店舗を展開しています。たいていのハンバーガー屋も店舗を持つという部分では共通でしょうが、出店する場所はだいぶ違っています。特に、2000円のハンバーガー屋は駅からちょっと離れた郊外にあったりします。こういった場合、マクドナルドが想定しているお店への入店のされ方と、2000円のハンバーガー屋は違います。マクドナルドは、目についたから行くという感じでしょう。2000円のハンバーガー屋は、そこにあるのを知って行くという感じです。この違いは大きいです。
最後に④の販促方法は、非常にわかりやすいです。マクドナルドは、よくテレビCMを流します。これは、ターゲットが幅広いというのもあります。2000円のお店では、そのような大規模な販促方法は資金的に採れません。そこで、口コミを起こすために、お店の近所でチラシを配ったりします。 競合を考えるにあたっては、ターゲットが重なっている部分がポイントになります。すべては、ターゲットから価格などの4Pは決まってきます。この3つのハンバーガー屋は競合する部分もあります。しかし、特にマクドナルドと2000円のハンバーガー屋は競合といえないかもしれません。
競合が決まったら
さて、競合が決まったら競合を分析します。何を分析するかといえば、先に説明した4Pについて分析します。4Pについて見てみますと、競合の強みや弱みが見えてきます。強みや弱みが見えてくることで、相対的にあなたの強みや弱みが決まってきます。あなた自身の事業についても、4Pの視点で強みや弱みを検討します。たとえば、ターゲットが同じで、モノ、販売チャネル、販促方法が同じような会社があったとします。しかし、価格面ではあなたのほうが強みがある場合は、価格が相対的にあなたの強みになります。このような場合、その他の前提が同じであれば、あなたの会社のモノが選ばれる可能性はかなり高くなります。
このように競合を決定し、競合を分析する中から生まれてくるあなたの強みというのは、事業計画書上、1つの説得力を高める重要な要素になります。現状の分析がしっかりとできていて、それにもとづいて競合への優位性を4Pすべての点でできた場合、競合に勝つ可能性は高まります。競合に勝つことができている→最低限、競合以上に売上が出る可能性があるということです。競合がしっかりと稼いでいる場合には、その競合よりも良いモノやサービスのためうまくいくのではないかと考えられます。競合分析→自社の強みや他社との差別化というのと同じです。